タイトル
第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第29回画像診断セミナー ─

肺癌の気管支鏡診断

小林 寿光1
1国立がんセンター中央病院内視鏡室気管支内視鏡室

肺癌の気管支鏡検査の概念は,病変を見て診断する内視鏡的診断と,病変から確定診断用細胞・組織検体を採取する検査手技に分けられ,後者は更に内視鏡下に直接病変を確認して検体を採取する場合と,X線透視下に行うカテーテル検査的な手技に分けられる. 肺癌取扱い規約の内視鏡的診断基準によって早期肺癌と非早期肺癌に分けられるが,前者は更に肥厚型,結節型,ポリープ型に分けられる.非早期肺癌は粘膜型と粘膜下型,壁外型に分けられ,その内粘膜型は更に肥厚型,結節型,ポリープ型に分けられる. 肺癌の各組織型は内視鏡下に特徴を持ってはいるが,未だ明確な診断基準は規定されていない.これらを理解することは悪性疾患の良性疾患との鑑別は勿論,浸潤範囲や生検部位の決定,生検方法の選択においても重要である. 最近では中枢型肺癌が減少し,CTでしか存在の確認が難しい末梢肺野小型肺癌が増加したため,気管支鏡検査の意義が軽視されがちである.しかし気管支鏡検査が肺病変の標準的な診断法である一因としての低侵襲な経気道的アプローチは,これら小型肺癌の診断治療において,またステント治療を始めとした中枢気道病変の治療においても重要であり,今後も気管支鏡検査は重要な呼吸器検査手技であり続けると考えられる.
索引用語:気管支鏡検査,肺癌,内視鏡検査,生検,確定診断

肺癌 43 (7):807─810,2003

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