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第43巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション1> 肺癌化学療法における塩酸イリノテカンとカルボプラチン併用療法

岡 三喜男1, 土井 誠志1
1長崎大学医学部附属病院呼吸器内科

目的・方法.トポイソメラーゼI阻害剤の塩酸イリノテカン(CPT-11)とプラチナ製剤のカルボプラチン(CBDCA)には交叉耐性がなく,副作用のプロファイルが比較的異なり,またin vitro併用で相乗効果がみられている.ここでは肺癌におけるCPT-11+CBDCA併用療法の成績とタキサンを加えた3剤療法について述べる.結果.第I相とII相試験の成績では,CPT-11+CBDCAの奏効率は小細胞肺癌に対して79~89%,進行非小細胞肺癌に対して22~36%と1年生存率37.6~42.2%である.タキサンを加えた3剤併用では奏効率32~56%,中間生存期間は11~16カ月であるが有害事象の頻度は高い.主な有害事象は白血球減少,好中球減少,血小板減少,下痢である.結論.CPT-11+CBDCAは他の併用療法と比較的同等の有用性を示し,とくにシスプラチン投与ができない症例,心機能や腎機能低下症例,外来治療には推奨される.
索引用語:小細胞肺癌, 非小細胞肺癌, 塩酸イリノテカン, カルボプラチン

肺癌 43 (7):837─842,2003

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