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第43巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション5> 進行非小細胞肺癌に対するCDDP,VNB,MMC,3剤併用化学療法

金子 公一1, 菊池 功次2, 中山 光男2, 星 永進3, 池谷 朋彦3, 尾関 雄一4, 水渡 哲史5
1埼玉医科大学呼吸器外科, 2埼玉医科大学総合医療センター外科, 3埼玉県立循環器呼吸器病センター呼吸器外科, 4防衛医科大学校第二外科, 5足利赤十字病院呼吸器外科

目的.臨床病期III期,IV期の非小細胞肺癌に対してシスプラチン(CDDP)+ビノレルビン(VNB)+マイトマイシン(MMC)の3剤併用化学療法を施行し,安全性と有効性について多施設による臨床検討を行った.方法.75歳以下の原発性非小細胞肺癌の初回治療例を対象にCDDP 80 mg/m2(day1),MMC 8 mg/m2(day1),非手術例はVNB 25 mg/m2(day1,8),術前投与例はVNB 20 mg/m2(day1,8)の投与を1コースとし,2コース以上の投与を目標とした.結果.登録症例は46例.39~72歳(平均61歳)で,臨床病期はIIIA期26例,IIIB期10例,IV期10例.投与完遂は1~3(平均1.6)コースで,2コース以上の投与完遂は21例(46%)であった.Grade 3以上の有害事象は,白血球減少13例(28%),血小板減少6例(13%),ヘモグロビン値減少4例(9%)のほか嘔気,食欲不振4例(9%),静脈炎2例(4%),腎不全1例(2%)であったが,すべて軽快して重篤な合併症には至らず治療関連死亡はなかった.抗腫瘍効果は評価可能例35例(76%)で,効果判定はPR 13例,NC 18例,PD 4例で奏功率は37%であった.結論.CDDP+VNB+MMC 3剤併用療法は従来の標準的CDDP+VDS+MMC 3剤併用療法と比べて奏功率,有害事象ともに遜色なく,非小細胞肺癌の併用化学療法の選択肢の一つに含めてよいと思われた.
索引用語:併用化学療法, 非小細胞肺癌, ビノレルビン, シスプラチン, マイトマイシン

肺癌 43 (7):878─881,2003

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