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第43巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション6> 肺扁平上皮癌に対するネダプラチン,ドセタキセル併用投与法

藤野 昇三1
1滋賀医科大学呼吸器外科

目的.肺扁平上皮癌に対する,ネダプラチン(CDGP),ドセタキセル(TXT)併用療法の効果と副作用について検討した.対象と方法.対象は再化学療法5例,照射併用10例を含む32例で,術前・進行症例の臨床病期は,IIB期2例,IIIA期11例,IIIB期7例,IV期9例,再発症例は3例であった.男女比30:2,平均年齢65.3歳.CDGP,TXT各80~140 mg/bodyをday1に1,000 mlの補液の元に投与した.結果.計58コースが施行され,平均投与量はCDGP 66.1 mg/m2,TXT 65.8 mg/m2であった.奏功率は,全32例で59.4%(CR 2例,PR 17例),化学療法単独26例で57.7%(CR 1例,PR 14例),再化学療法5例で40.0%(PR 2例)であった.grade 3/4の副作用出現率は,白血球減少67.2%,血小板減少3.5%,嘔気・嘔吐3.1%であった.予後は,平均10.7カ月の観察期間で,死亡13例,生存19例であり,全32例での生存率は,1年67.2%,3年28.5%,非切除22例での生存率は,1年62.6%,3年11.9%であった.結語.肺扁平上皮癌に対するCDGP,TXT併用投与法は十分な耐用度と高い奏功率を示し,進行・再発症例あるいは術前治療として有用である.
索引用語:ネダプラチン, シスプラチン誘導体, ドセタキセル, 肺扁平上皮癌

肺癌 43 (7):900─905,2003

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