第43巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
<セッション8> ゲムシタビン+ビノレルビンとゲムシタビン+ドセタキセル
久保田 馨11国立がんセンター東病院呼吸器科
目的.進行非小細胞肺癌に対する非プラチナ併用化学療法の意義を検討する.方法.論文報告されたゲムシタビン+ビノレルビンおよびゲムシタビン+ドセタキセルの第III相試験を中心に効果,毒性について検討した.結果.ゲムシタビン+ビノレルビンはシスプラチンを含む併用化学療法に比較し,毒性はより軽度であるものの,global QoLに差は無く,無増悪生存期間はシスプラチン群が有意に良好であった.ゲムシタビン+ドセタキセルはシスプラチン+ドセタキセルに比較して,奏効率,生存期間に差は無く,より消化器毒性が軽度であった.結論.非プラチナ製剤同士の2剤併用化学療法は非小細胞肺癌に対する有効なレジメンであるが,シスプラチンを含むレジメンに比較して,抗腫瘍効果がやや劣る可能性がある.消化器毒性がより軽度であり,特にシスプラチンの毒性が問題になる症例に対する選択肢の一つとなり得る.
索引用語:肺癌, 化学療法, ゲムシタビン, ビノレルビン, ドセタキセル
肺癌 43 (7):912─915,2003