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第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション9> Docetaxel+Carboplatin療法後のSecond-line Paclitaxel weekly療法の検討

谷口 博之1, 近藤 康博1, 西山 理2, 松本 修一2, 平松 哲夫2, 権田 秀雄2, 竹本 正興2, 進藤 丈2, 本多 康希2, 谷川 吉政2, 久米 裕昭2, 長谷川 好規2, 鈴木 隆二郎2, 下方 薫2
1公立陶生病院呼吸器アレルギー内科, 2Central Japan Lung Study Group

目的.paclitaxel(TXL)とdocetaxel(TXT)は同じtaxan系化合物であるが,完全な交差耐性を示さない薬剤であることが,基礎研究,臨床研究において報告されている.また,2nd lineのdocetaxel治療で約10%の奏効率が報告され,生存延長も期待されている.TXLの投与方法については3週間毎投与が標準治療とされているが,海外の報告ではweekly投与の場合,奏効率が単剤で30~50%と優れ,また,3週間毎投与に比較し,骨髄毒性,脱毛,末梢神経障害,粘膜炎等の副作用が少ないとされている.今回は進行非小細胞肺癌症例に対するTXT+Carboplatin(CBDCA)併用化学療法の無効・再発症例に対し,Weekly TXL投与法の有効性と安全性について検討した.目的.Primary endpointは奏効率,有害事象発現率とし,secondary endpointはQOL・Survivalとした.方法.進行非小細胞肺癌症例に対するTXT+CBDCA併用化学療法(RTも含む)の無効・再発症例に対し,TXL 80 mg/m2の毎週投与6コース終了後,2週間休薬しこれを1クールとした.結果.36症例が登録され,男女比は22/14,ECOG performance statusは0が19例,1が13例,2が4例,組織型は腺癌29例,扁平上皮癌6例,腺扁平上皮癌1例,IIIB 8例,IV 28例.PR/SD/PD/NE:5/20/9/2例で奏効率13.8%であった.G3(NCI-CTC)以上の副作用は好中球減少が36%,血小板減少は0%,過敏反応(G2)を1例に認めた.QLQ C-30による健康関連QOLは痛みと食欲不振の項目が改善した.結論.TXLはTXTと同じタキサン系化合物であるが,TXT無効・再発症例にもTXLの毎週投与は有効であることが示唆された.

肺癌 43 (7):921─921,2003

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