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第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション9> タキソール+カルボプラチン2剤併用療法

中西 洋一1, 高山 浩一1, 原田 大志1, 南 貴博1, 堀内 康啓1, 猪島 尚子1, 石橋 里恵1, 原田 聡子1, 内野 順治1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設

目的.日本人において非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+タキソールの併用療法の安全性と有効性を確認すること.方法.手術不能III期非小細胞肺癌に対してカルボプラチン+タキソールと放射線の同時併用療法を実施した.タキソール45 mg/m2とカルボプラチンAUC=2に相当する量をweeklyに投与し,同時に1.8~2.0/dayの放射線(計60~65 Gy)を併用した.奏効例に対しては追加の化学療法を16週まで追加した.進行期非小細胞肺癌症例に対するカルボプラチン+タキソールの隔週投与法についての臨床第I相試験の結果は,推奨用量はカルボプラチンAUC=3に相当する量に加え,タキソールは140 mg/m2であった.この成績を下に臨床第II相試験を実施した.結果.化学放射線療法については,72例の患者が登録され,68例が適格症例であった.評価可能な61症例においてはCR 4例,PR 40例で奏効率72%であった.中間解析の段階では,推定中央生存期間14ヵ月,1年生存率56%であった.治療関連死が3例みられた.その内訳は間質性肺炎1例,骨髄抑制回復後のカリニー肺炎1例,放射線による組織壊死に伴う縦隔炎1例であった.進行期非小細胞肺癌のプロトコールについては,目標登録症例は80例で,登録は完了している.現在までに28例についての中間解析が終了しているが,グレード3以上の白血球減少は21%,好中球減少は46%,非骨髄毒性では,発熱,アレルギー,倦怠感がそれぞれ1例(3%)であった.効果判定をした21例中8例がPRで奏効率は38%であった.結論.中間解析の段階ではあるが,本治療法の安全性と有効性が示唆された.
索引用語:カルボプラチン, タキソール, 非小細胞肺癌, 臨床第II相試験, 化学放射線療法

肺癌 43 (7):922─925,2003

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