第43巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
<セッション11> タキソテール単剤の臨床成績
渡辺 古志郎11横浜市立市民病院呼吸器内科
切除不能の進行期非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer;NSCLC)に対する化学療法はプラチナ製剤と新規抗癌剤の組み合わせが標準的な治療法と考えられている.新規抗癌剤の中でNSCLCに対して明らかに優れているというレジメンはないが,その中でドセタキセルは2nd-line therapyとしての有効性が示されている.ドセタキセルの未治療NSCLCに対する治療成績は,海外での文献では第二相試験でドセタキセル100 mg/m2,75 mg/m2で治療されており,その奏功率は23―38%でありかつMSTは6.3―14ヶ月であった.それに対し日本での文献では第一相臨床試験の結果を踏まえて,ドセタキセル60 mg/m2で治療されており,奏効率は20%,MSTは10ヶ月であり,海外での成績と比較しやや奏功率でやや劣るもののMSTでは決して引けをとるものではなかった.これらのデータは他の抗癌剤と比較しても遜色なく,今後のNSCLCに対する治療として十分期待しうる結果であった.そこで未治療,既治療NSCLCに対する現在のドセタキセルの治療成績について文献的考察する.
索引用語:切除不能進行期非小細胞肺癌, 化学療法, 新規抗癌剤, ドセタキセル
肺癌 43 (7):934─939,2003