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第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

<セッション13> 肺癌術後再発症例に対するGemcitabine(Gem),Vinorelbine(VNR)の外来併用化学療法について

平松 義規1
1愛知県厚生連加茂病院呼吸器外科

目的.非小細胞肺癌切除後の再発治療は一般に困難である.予後不良であることから長期入院治療や副作用が強く,QOLの低い治療法は疑問である.近年,副作用が少なく,外来治療も可能な新規抗癌剤が登場している.今回,ゲムシタビン(GEM),ビノレルビン(VNR)にて術後再発治療を行った症例を検討した.方法.2001年3月から2002年10月までに非小細胞肺癌術後の再発症例に対し外来にてGEM 800 mg/m2,VNR 20 mg/m2を2週間毎に静脈内投与し,X-P,CT,採血,問診票によりその効果,副作用,QOLに関し検討した.結果.同意の得られた症例は19例,男性12例,女性7例.年齢は平均68.2歳,組織型は腺癌17例,腺扁平上皮癌2例,再発部位は肺12例,縦隔リンパ節10例,悪性胸水4例,骨3例,皮膚2例,脳2例,肝1例.治療は平均14.2回行った.副作用は骨髄抑制12例,全身倦怠感9例,食欲低下4例,口内炎1例,静脈炎1例を認めたが,Grade 3以上の副作用はなかった.治療効果はCR 2例,PR 6例,NC 7例,PD 4例であった.全例,外来治療可能でQOLは良好に保たれた.結論.GEMとVNRの併用療法は術後再発症例に対し,外来治療において安全で有用な治療法である.
索引用語:肺癌術後再発, ゲムシタビン, ビノレルビン, 副作用

肺癌 43 (7):952─955,2003

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