第43巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 第18回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
<セッション15> 術前のCisplatin(CDDP)+Docetaxel(DOC)併用療法により完全切除が可能となり病理学的に完全奏効であった局所進行非小細胞肺癌の1例
奥村 栄11癌研究会附属病院呼吸器外科
背景.局所進行非小細胞肺癌の予後は不良であり,未だ標準治療は確立していない.症例.58歳男性.右下幹(B6)発生の最大径85 mmの扁平上皮癌が,気管分岐部リンパ節から食道筋層にまで直接浸潤し,cT4N2M0 stage IIIBと診断した.CDDP(80 mg/m2)+DOC(60 mg/m2)の化学療法を3回施行したところ,腫瘍縮小率は59%であり,ycT2N0M0 stage IBにdown stageした.食道筋層と分岐部リンパ節とともに右中下葉切除(完全切除)を施行し,病理学的に完全奏効(CR)であった.結論.術前のCisplatinとDocetaxelの化学療法により,病理学的にCRとなった症例を経験し,局所進行非小細胞肺癌にその有用性が示唆された.
索引用語:局所進行非小細胞肺癌, 化学療法, Cisplatin, Docetaxel, 完全奏効
肺癌 43 (7):968─973,2003