タイトル
第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第19回肺癌集検セミナー ─

CT検診の現況

柿沼 龍太郎1
1国立がんセンター東病院呼吸器科

「東京から肺がんをなくす会」は会員制の検診機関で年2回の検診を実施している.1975年9月から1993年8月(第1期)の間で,胸部レントゲン写真と喀痰細胞診検査にて26,338人の肺がん検診を実施した.1993年9月から2002年8月(第2期)の間で,胸部レントゲン写真と喀痰細胞診と低線量ヘリカルCTにて15,342人の肺がん検診を実施した.第1期では,43例の肺がんが発見され,第2期では,64例の肺がんが発見された.肺野型肺がんは,第1期では84%,第2期では91%,大きさの平均は,第1期では3 cm,第2期では1.5 cmであった.Stage IAのしめる割合は,第1期では42%,第2期では78%,5年生存率は,第1期では48%,第2期では84%であった.その他のCT検診でも,発見肺がんのstage IAのしめる割合は,長野プロジェクトで88%,日立健康管理センターで76%と高いことが報告されているが,CT検診が肺がん死亡を減少させることができるかどうかは,まだ証明されていない.現在,厚生労働省の複数の研究班にてCT検診の有効性を評価する研究が進行中である.国立がんセンターに,がん予防・検診センターが併設され2004年2月から新しい検診技術の開発やがんの予防対策に取り組む予定である.
索引用語:肺がん, ヘリカルCT検診

肺癌 43 (7):1001─1005,2003

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