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第43巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第19回日本肺癌集検セミナー ─

18F-FDG-PETの肺癌検診への応用

村上 康二1
1国立がんセンター東病院放射線部

近年FDG-PETを検診に用いる施設が増えているが,検診の有効性を十分に証明できるデータはない.PETは確かに充実性肺癌の検出率は良好であり,胸部X線によるスクリーニングよりは発見率で上回るものと予想される.しかし淡い陰影に関してはPETの偽陰性が高いことが知られており,早期発見という点においてはヘリカルCTの方が優れている可能性が高い.一方,早期発見が生存率の向上に寄与するかどうかはまだ議論の余地が残っている.PETは肺癌だけでなく他の部位のがんもスクリーニングできるという大きな特徴を持つ検査法であり,今後のPET検診の有効性を論じるうえでは他臓器のがんにおける検討,あるいは検診施設からの正確なデータの開示が必須である.
索引用語:肺癌, 検診, FDG-PET, ヘリカルCT, 早期診断

肺癌 43 (7):1033─1038,2003

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