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第44巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis With Pitting Edema（RS3PE）症候群に合併した肺扁平上皮癌の1例
菅 正之1, 山崎 浩一1, 濱田 邦夫1, 木下 一郎1, 秋田 弘俊2, 西村 正治11北海道大学医学部第一内科, 2北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野
背景．Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema（RS3PE）症候群は高齢者に急性に発症する手背・足背の浮腫を伴う対称性の滑膜炎を特徴とし，少量の副腎皮質ステロイドの投与で寛解に至り再発はみられない症候群である．悪性腫瘍の合併例が報告されているが，肺癌合併例はまれである．症例．83歳，男性．2002年4月よりRS3PE症候群にて加療中であった．2003年1月に左上肺野に結節影を指摘され当科入院となった．胸部CTで左S1＋2に径2.5 cmの結節影を認め，精査の結果，脳転移を伴う肺扁平上皮癌（T4N0M1，stage IV）と診断された．脳転移に対する放射線療法を施行後，外来にて経過観察中である．結論． RS3PE症候群に肺扁平上皮癌を合併したまれな1例を報告した．過去の報告と併せて考えると，本症例ではRS3PE症候群が肺癌の前駆症状であった可能性がある．
索引用語：Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema（RS3PE）症候群, 肺癌
受付日：2003年12月17日
受理日：2004年2月4日
肺癌 44 (1)：61─66，2004
