第44巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
成人病検診管理指導協議会肺がん部会による肺癌集検に関わる精度管理調査
佐川 元保1, 遠藤 千顕2, 佐藤 雅美2, 斉藤 泰紀3, 杉田 真1, 桜田 晃2, 薄田 勝男4, 藤村 重文5, 佐久間 勉11金沢医科大学呼吸器外科, 2東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野, 3国立仙台病院呼吸器外科, 4富山医科薬科大学光学医療診療部, 5東北厚生年金病院外科
目的.肺がん検診の精度を評価するシステムを,継続的に運用可能な状態で構築することは急務である.今回,精度管理指標の把握に関する調査を行ったので報告する.方法.宮城県成人病検診管理指導協議会肺がん部会の業務として,精度管理に必要とされる最低限の項目を各自治体が把握しているかどうかに関する調査を,住民に結果を公表することを前提として経年的に行った.調査項目は,「肺がん検診マニュアル」などをもとに,標準的な検診を行っていれば容易に記載できる40項目を選択した.未把握ないし不充分な水準であった項目の数が,0を「A」,1~4を「B」,5~8を「C」,9項目以上を「D」,無回答を「E」として評価を行った.結果.2001年度は調査対象70市町村中Aが58,Bが3,Cが6,Dが3であったが,2002年度にはAが60,Bが7,Cが2,Dが1となった.全自治体で改善された評価段階は10段階,改善された評価項目数は56項目に達した.結論.成人病検診管理指導協議会を中心に据えた,各自治体における精度管理指標の把握状況の調査は現状でも可能であり,一般住民に公表することを宣言した上で,各県単位で行うべきである.
索引用語:肺癌集検, 精度管理, 自治体に対する調査, 成人病検診管理指導協議会
受付日:2004年1月13日
受理日:2004年2月27日
肺癌 44 (2):91─94,2004