タイトル
第44巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

7歳女児に発生した小児胸腺腫の1手術例

庄村 心1, 高尾 仁二1, 藤永 一弥1, 矢田 公1
1三重大学医学部胸部外科

背景.小児縦隔腫瘍の中で,胸腺腫は稀と言われているが,7歳女児に発生した小児胸腺腫を経験したので報告する.症例.7歳女児.左下葉の肺炎を加療中に胸部レントゲン,CT,MRIを行い,横隔膜に接し左胸腔内に突出する6 cm大の腫瘤を指摘された.縦隔腫瘍の診断で左側方切開下に腫瘍切除術を施行した.病理組織検査で断端は陰性であったが,被膜浸潤を伴う胸腺腫(正岡分類;stage II,WHO分類;type B1)と診断された.術後2ヶ月後より放射線50 Gyの外照射を施行した.結論.小児胸腺腫に対して外科的切除,外照射を施行した1例を経験した.小児期での胸腺腫は稀であり,今後の長期経過観察を必要とすると考えられた.
索引用語:胸腺腫, 小児, 外科治療

受付日:2004年2月9日
受理日:2004年5月13日

肺癌 44 (3):189─192,2004

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