第44巻第6号目次 | Japanese/English |
Full Text of PDF (393K) Article in Japanese |
─ 総説 ─
GGOと肺癌の病理
野口 雅之11筑波大学大学院人間総合科学研究科基礎医学系病理学(診断病理)
末梢肺に発生する腺癌は既存の肺胞上皮を置換しながら増殖するタイプと破壊しながら増殖するタイプに大別される.前者はさらに限局性の細気管支肺胞上皮癌(localized bronchioloalveolar carcinoma, BAC, type A),LBACに肺胞構造の虚脱を伴ったもの(type B),さらにLBACに活性型の線維芽細胞増殖巣が見られるような線維化が認められるもの(type C)に細分される.これらの既存の肺胞構造置換性増殖腺癌はCT上ground glass opacity(GGO)を呈する.特にpure GGOと呼ばれるすべてがGGOからなる腫瘍はtype Aの腺癌で,WHO分類でいうbronchioloalveolar carcinoma(BAC)にほぼ相当する.
索引用語:GGO(ground glass opacity), BAC(bronchioloalveolar carcinoma), 置換性増殖, 線維化
受付日:2004年8月31日
受理日:2004年9月9日
肺癌 44 (6):675─682,2004