タイトル
第45巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

隣接肺葉への浸潤を伴う非小細胞肺癌切除例の検討

永島 明1, 下川 秀彦1, 竹之山 光広1, 安元 公正2
1北九州市立医療センター呼吸器外科, 2産業医科大学第2外科

目的.非小細胞肺癌における隣接肺葉浸潤,すなわち葉間p3症例の予後を検討し,葉間p3をpT2とすることの妥当性を明らかにする.また浸潤隣接葉の切除術式に関しても検討した.対象と方法.葉間p3でpT2であった40例(ILp3pT2群)を対象とした.同時期のその他のpT2症例(ILp0-2pT2群),あるいはpT3症例(pT3群)と生存率の比較を行った.結果.ILp3pT2群,ILp0-2pT2群,pT3群の5年生存率はそれぞれ56.4%,51.2%,33.4%であった.ILp3pT2群はpT3群より有意(p=0.013)に予後良好で,ILp3pT2群とILp0-2pT2群との間に予後の差を認めなかった(p=0.415).隣接肺葉の切除術式は予後に有意な影響を与えず,ILp3pT2群で隣接肺葉の部分切除を行った症例とILp0-2pT2群とを比較しても局所再発率に差は認めなかった.結論.葉間p3をpT2とすることは予後の面からも妥当と思われた.また浸潤隣接肺葉に対する手術術式としては部分切除で良いと思われた.
索引用語:肺癌, 葉間胸膜浸潤, 葉間P3

受付日:2004年8月30日
受理日:2004年11月15日

肺癌 45 (1):1─4,2005

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