第45巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
Lambert-Eaton筋無力症候群および傍腫瘍性小脳変性症を合併した小細胞肺癌の1例
舟口 祝彦1,2, 澤 祥幸1, 石黒 崇1, 吉田 勉1, 大野 康2, 藤原 久義21岐阜市民病院呼吸器科・腫瘍内科, 2岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環病態学・呼吸病態学・第二内科
背景.傍腫瘍性神経症候群は癌に随伴する自己免疫学的機序にて発症することが判明しており,小細胞肺癌はその原因の主たるものの一つである.今回,我々はLambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)および傍腫瘍性小脳変性症(PCD)を合併した小細胞肺癌の1例を経験したので報告する.症例.62歳男性.起立・歩行障害を認め入院.精査の結果,LEMSおよびPCDを合併した小細胞肺癌と診断した.全身化学療法(CBDCA+VP-16)4コースと同時胸部放射線療法計45 Gyを施行し,complete response(CR)を得た.筋症状は改善し歩行可能となったが,小脳症状は残存した.結論.小細胞肺癌に対する化学療法および放射線療法によりLEMSは著明に改善したが,PCDは改善を認めなかった.
索引用語:Lambert-Eaton筋無力症候群, 傍腫瘍性小脳変性症, 小細胞肺癌
受付日:2004年9月15日
受理日:2004年11月29日
肺癌 45 (1):37─40,2005