タイトル
第45巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

縦隔原発混合性胚細胞腫瘍の1例

田中 惣之輔1,3, 江川 博彌1,2, 三戸 晶子1, 立山 義朗2
広島市立安佐市民病院 1内科, 2病理部, 3JA廣島総合病院内科

背景.縦隔に原発する胚細胞腫瘍は稀である.絨毛癌を含む混合性胚細胞腫瘍を経験したので報告する.症例.症例は31歳の男性で,前医にて胸水貯留を認められ,当院に紹介された.CT検査にて,前縦隔に巨大腫瘍を認め,同部の経皮針生検や腫瘍マーカーの検索の結果,肺転移を伴う縦隔原発の胚細胞腫瘍と診断した.シスプラチンを含む化学療法を3コース実施したが,充分な治療効果は得られず,全身への転移を来し,治療開始4ヵ月後に死亡した.剖検にて,縦隔原発の未熟型奇形腫と絨毛癌の混在する混合性胚細胞腫瘍と診断された.結論.縦隔原発の胚細胞腫瘍のうち,絨毛癌は殊に稀であるが,予後不良であり,有効な治療法の確立が望まれる.
索引用語:縦隔腫瘍, 混合性胚細胞腫瘍, 絨毛癌, 未熟型奇形腫

受付日:2004年7月15日
受理日:2004年12月1日

肺癌 45 (1):41─46,2005

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