タイトル
第45巻第2号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (138K)
Article in Japanese

─ 症例 ─

自然退縮した肺結核合併肺癌の1例

加藤 達雄1, 中島 賢憲1, 今尾 要浩1, 小牧 千人1, 佐野 公泰1, 吉見 直己2
1国立病院機構岐阜病院呼吸器科, 2琉球大学医学部腫瘍病理学

背景.肺癌の自然退縮は非常にまれであり,ほとんど報告はない.症例.60歳,男性.肺結核を合併した右肺上葉の肺癌で,肝臓に転移を認めた.抗結核剤の投与のみで抗癌剤の投与は行われなかったが,原発巣,肝転移ともに縮小した.血清CEAは入院時には88 ng/mlと上昇していたが3ヵ月後正常化した.7年間経過観察中であるが,再発をみていない.結論.本例は肺結核に合併した肺癌が自然退縮した希少な症例であると考えられた.
索引用語:自然退縮, 肺癌, 肺結核

受付日:2004年11月8日
受理日:2005年1月25日

肺癌 45 (2):127─132,2005

ページの先頭へ