タイトル
第45巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

気管,気管支内悪性腫瘍に対し気管支鏡下半導体レーザー治療を含む集学的治療を行った3例

山田 徹1, 小林 良樹2, 北 英夫2, 安場 広高2, 千葉 渉1, 人見 滋樹1
高槻赤十字病院 1呼吸器外科, 2呼吸器・アレルギー科

背景.高出力半導体(GaAlAs)レーザー装置の開発により気管,気管支内の悪性腫瘍に対して気管支鏡下の半導体レーザー治療が可能となった.以前より使用されていたNd-YAGなどの高出力レーザーよりも装置が小型,軽量という利点があり,同等の臨床効果がある.症例.外科的切除術の適応とならない気管癌1例,腎細胞癌,乳癌の気管支内転移各1例に対して,気管支鏡下に高出力半導体(GaAlAs)レーザー装置(UDL-60,オリンパス社製)を用いて半導体レーザー治療を行い,全身化学療法と体外放射線照射を併用した.レーザー治療の総エネルギー量はそれぞれ1340 J,3023 J,1115 Jで,特に合併症は生じなかった.3例とも半導体レーザー治療施行後の早期よりそれぞれ血痰,喘鳴,咳嗽の呼吸器症状の消失を認めた.また,全身化学療法と体外放射線照射を併用することで2年以上の比較的長期にわたり,気道内局所再発による呼吸器症状の再発を防ぐことが出来た.結論.高出力半導体レーザー治療は気管,気管支の悪性腫瘍に対して局所制御による呼吸症状の消失をもたらすのみではなく,全身化学療法,体外放射線照射との併用により長期にわたり呼吸器症状の再発を防ぎうる.
索引用語:気管癌, 気管支内腫瘍, 気管支鏡, 半導体レーザー

受付日:2004年10月21日
受理日:2005年3月2日

肺癌 45 (2):139─143,2005

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