タイトル
第45巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺アスペルギルス症を合併し治療に難渋した肺癌の1例

山川 範之1, 西尾 智尋2, 佐々木 信2, 河村 哲治2, 中原 保治2, 望月 吉郎2
独立行政法人国立病院機構姫路医療センター 1内科, 2呼吸器内科

背景.肺癌と肺アスペルギルス症の同部位合併例は散見するが,別部位合併の報告は稀である.今回,我々は別部位合併に対し内科的に治療した症例を経験したので報告する.症例.66歳男性,主訴は血痰.胸部CTにて右S6,左下葉に腫瘤を認め,気管支鏡下生検にて腺癌と診断した.化学療法を施行し,左肺腫瘤は縮小したが逆に右肺腫瘤は増大し,肺アスペルギルス症の関与が判明した.抗真菌剤投与を行い右肺腫瘤には効果が見られたが,その後,肺癌の悪化により死亡した.結論.肺癌と肺アスペルギルス症の別部位合併例は報告が少なく,今後,抗癌剤,抗真菌剤併用の方法などについて症例を重ね検討する必要があると思われる.
索引用語:肺腺癌, 肺アスペルギルス症, 血痰, 抗真菌剤

受付日:2004年12月6日
受理日:2005年3月14日

肺癌 45 (2):151─155,2005

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