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第45巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第19回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─

進行非小細胞肺癌に対する化学療法薬選択

河原 正明1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター

目的.シスプラチンベースの化学療法は進行非小細胞肺癌の標準治療である.シスプラチンに伴なう毒性があるため,それに代わる治療法が研究されている.プラチナベース対ノンプラチナベースの化学療法を比較した第III相試験をレビューした.方法.文献ないし学会で報告されたプラチナベース対ノンプラチナベースの化学療法を比較した第III相試験を集計した.結果.新規抗癌剤単剤よりも新規抗癌剤+プラチナ製剤の2剤の方が生存にベネフィットがあった.プラチナベースの併用化学療法はノンプラチナベース2剤より同等あるいは優れていたが,最近ではノンプラチナベース2剤の方が延命効果があったとの報告もある.一般的にはノンプラチナベースの化学療法は悪心・嘔吐などの上部消化器毒性は少ないがそれ以外の毒性が顕著に減ったということはなかった.結論.プラチナベースの2剤併用の化学療法は非小細胞肺癌の標準治療でありつづけているが,ノンプラチナベースの化学療法は一部症例にはその代替治療として行われている.2005年4月にノンプラチナベース3剤とプラチナベース2剤の比較試験(JMTO LC0003)の登録完了し解析中である.
索引用語:非小細胞肺癌, ノンプラチナ, 化学療法, 第III相

肺癌 45 (3):289─294,2005

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