タイトル
第45巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

「肺癌診療ガイドライン」の使用状況に関するアンケート集計結果

星川 康1,2, 桜田 晃1,2, 佐渡 哲1,2, 田畑 俊治1,2, 遠藤 千顕1,2, 岡田 克典1,2, 鈴木 聡1,2, 松村 輔二1,2, 近藤 丘1,2
1東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野, 2東北大学病院呼吸器外科

目的.「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2003年版」の使用状況およびこれに対する意見を調査することを目的とした.方法.日本呼吸器外科学会認定施設,関連施設,日本肺癌学会員の在籍する施設,530施設を対象にアンケート調査を行った.結果.260施設,785名の医師より回答を得た.回答者の80%以上が本ガイドラインの使用経験があり,その半数以上が「診療方針決定」あるいは「インフォームドコンセント」といった実際の診療の場での使用を目的としていた.回答者の約70%が本ガイドラインの出版により診療になんらかの影響があったと答えており,影響の種類の大部分は,「診療方針が決めやすくなった」あるいは「患者さんに説明しやすくなった」であった.「今後記載されることが望ましい臨床的疑問点」あるいは「本ガイドラインへの要望」として,改訂への要請を含む多数の有用な意見が寄せられた.結論.本ガイドラインは多数の医師によって利用され,肺癌診療に寄与していることが示唆された.一方で改訂への強い要請があることも明らかとなった.得られた多数の意見が今後のガイドライン改訂に反影されるよう日本肺癌学会に要望したい.
索引用語:肺癌診療ガイドライン, アンケート, 改訂

受付日:2005年3月31日
受理日:2005年5月24日

肺癌 45 (4):319─328,2005

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