タイトル
第45巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

High risk小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシン(カルセド®)単剤使用経験

山本 倫子1, 矢那瀬 信雄1, 矢内原 智子1, 小野田 清香1, 石井 佳緒里1, 羽切 慎太郎1, 龍華 慎一郎1, 和田 真由子1, 加藤 恵美1, 益田 典幸1
1北里大学医学部呼吸器内科学

目的.プラチナ製剤併用療法の施行が困難あるいは適切でないhigh riskの小細胞肺癌を対象に塩酸アムルビシンの抗腫瘍効果と毒性について検討する.方法.対象は高齢,PS不良あるいは合併症等のためプラチナ製剤併用療法の施行が困難と判断された小細胞肺癌症例および既に2レジメン以上の化学療法が施行された小細胞肺癌症例.塩酸アムルビシン40 mg/m2(もしくは35 mg/m2)を3日間連日静脈内に投与,3週間を1コースとして2コース以上投与とし,その抗腫瘍効果および毒性を評価する.結果.2003年2月から2004年7月まで,21例に塩酸アムルビシン治療が施行された.21例中6例は初回投与量を35 mg/m2に減量した.年齢中央値は71歳(51~80)で,化学療法未治療例が7例,既治療例が14例であった.未治療例の奏効率は71%,生存期間中央値は9.4ヵ月で,既治療例では各々14%,6.0ヵ月であった.毒性面ではグレード3以上の血液毒性が高頻度に認められたが,非血液毒性は比較的軽度であった.結論.プラチナ製剤併用療法の施行が困難あるいは適切でないhigh riskの小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシン単剤療法は,高い奏効率と予後改善が期待され,今後さらに検討すべき有用な治療法と考えられた.
索引用語:小細胞肺癌, 化学療法, 塩酸アムルビシン

受付日:2005年3月15日
受理日:2005年5月31日

肺癌 45 (4):329─333,2005

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