タイトル
第45巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

急激な経過をたどった肺紡錘細胞癌の1例

濱中 一敏1, 砥石 政幸1, 西村 秀紀1
1長野市民病院呼吸器外科

背景.肺紡錘細胞癌は紡錘細胞のみからなる,予後不良な疾患である.手術後に急激な経過をたどって死に至った症例を経験したので報告する.症例.患者は68歳の男性で,胸痛を主訴に受診し,胸部CTで左S6に空洞を伴う径約7 cmの腫瘤を認め,胸壁浸潤を伴う肺癌と診断された.遠隔転移を認めず,症状出現後1ヶ月半に左下葉切除および胸壁合併切除を行った.組織学的には紡錘形の細胞のみからなり上皮様にみえる細胞はなく,免疫染色でcytokeratin陽性から肺紡錘細胞癌と診断した.術後5週でイレウスを発症し,小腸の腫瘍を切除し,転移と診断された.その後局所再発,肺転移,骨転移を来し,術後6ヶ月で死亡した.結論.肺紡錘細胞癌は予後不良であり,術後早期に積極的な補助療法をすべきである.
索引用語:紡錘細胞癌, 免疫染色, サイトケラチン

受付日:2004年12月日
受理日:2005年4月21日

肺癌 45 (4):363─366,2005

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