第45巻第6号目次 | Japanese/English |
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─ 総説 ─
肺癌に対する新しいcytotoxic agents
上岡 博1, 前田 忠士1, 青江 啓介11独立行政法人国立病院機構山陽病院内科
本稿では,開発中の肺癌に対するcytotoxic agentのうち,葉酸代謝に関係する複数の酵素を阻害する新規代謝拮抗剤であるpemetrexedと新規のanthracycline系の薬剤であるamrubicinの臨床試験の結果を概説した.Pemetrexedは既治療の非小細胞肺癌を対象とした大規模な比較試験において,現在の標準的治療法であるdocetaxelと同等の有効性を有し,かつ毒性が極めて軽微であることが報告された.現在本邦でも臨床試験が進行中であり,またプラチナ化合物あるいは非プラチナ化合物との併用療法の検討も行われている.一方,amrubicinは進展型の小細胞肺癌に対して,単剤で76%と高い奏効率が報告され,cisplatinとの2剤併用療法では,奏効率87%,生存期間中央値13.6ヵ月と良好な成績が示され,現在cisplatin+irinotecanの2剤併用療法との比較試験が計画されている.
索引用語:肺癌, 新規抗がん剤, Pemetrexed, Amrubicin
肺癌 45 (6):693─696,2005