タイトル
第45巻第7号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (68K)
Article in Japanese

─ 原著 ─

再発小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシン(カルセド®)単剤療法の検討

長谷川 喜一1, 武田 晃司1, 菓子井 達彦1, 川野 祐1, 片山 博文1, 住谷 充弘2, 瀧藤 伸英2, 根来 俊一1
大阪市立総合医療センター 1臨床腫瘍科, 2呼吸器内科

目的.再発小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシンの抗腫瘍効果と毒性についてretrospectiveに検討する.対象と方法.既に1レジメン以上の化学療法が施行され,再発・増悪をきたしたPS0~3の小細胞肺癌症例を対象に,塩酸アムルビシン40 mg/m2を3日間連日静脈内投与する.3週間を1コースとして繰り返し投与した.結果.2003年2月から2004年9月まで,26例に塩酸アムルビシン単剤治療が施行された.年齢中央値は62.5歳(範囲43~78歳),再発形式はsensitive/refractoryが各々9/17例であった.投与コース数中央値は3(範囲1~7コース)で,奏効率は46.2%(95%CI:26.6~66.6%),生存期間中央値は9.4ヵ月(95%CI:4.6~11.0ヵ月)であった.毒性面では血液毒性が強く発現し,グレード4の白血球減少が42.3%,好中球減少が73.1%に認められ,また,4日以上持続するグレード4の好中球減少が57.5%の患者にみられた.その他,グレード3の発熱性好中球減少が42.3%,グレード3/4の血小板減少が50.0%に認められた.グレード3以上の非血液毒性として,間質性肺炎の発現が1例,上室性不整脈の発現が2例に認められた.結論.塩酸アムルビシン(40 mg/m2)単剤療法は再発小細胞肺癌に対し高い奏効率を示し,生存への寄与も期待できることから,セカンドライン治療として有用なレジメンと考えられた.しかし,血液毒性のため減量を必要とする症例が多く,至適投与量に関しては更なる検討を要する.
索引用語:再発小細胞肺癌, 化学療法, 塩酸アムルビシン

受付日:2005年7月13日
受理日:2005年9月16日

肺癌 45 (7):811─815,2005

ページの先頭へ