タイトル
第45巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

Gefitinibの隔日投与が奏効した肺腺癌の1例

藤本 勝洋1, 赤木 隆紀1, 白石 素公1, 久良木 隆繁1, 渡辺 憲太朗1
1福岡大学医学部第4内科(呼吸器科)

背景.Gefitinibは化学療法による既治療が奏効しなかった肺腺癌患者に投与されるが,下痢などの有害事象はこれらの患者にとって深刻な問題となる.症例.71歳女性.2002年2月に肺腺癌(臨床病期IIIB)と診断した.プラチナ製剤を含む化学療法を行ったが無効であったので,gefitinib 250 mg/日の投与を行った.重篤な下痢が出現したために塩酸ロペラミドを投与し,7日間休薬した後,隔日投与にて治療を再開した.その結果,下痢は止まり腫瘍の縮小率は44%(RECIST)に達しPRと判定した.結論.現在までに,国内外ともに隔日投与により,重篤な副作用を回避し臨床効果をあげられた報告はなく,今後は隔日投与の体内動態を再検討し,他の内服方法と比較することで臨床効果のみならず,有益な経済効果をもたらす可能性があると考えられた.
索引用語:肺腺癌, Gefitinib, 隔日投与, 薬物動態

受付日:2005年1月17日
受理日:2005年8月22日

肺癌 45 (7):833─837,2005

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