タイトル
第45巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

CTガイド下経皮的肺腫瘍ラジオ波凝固療法後に空洞形成と著明な炎症反応を来した2例

大隈 智尚1, 松岡 利幸1, 山本 晃1, 豊島 正実2, 井上 清俊3, 井上 佑一1
1大阪市立大学医学部放射線科, 2神戸市立西市民病院放射線科, 3大阪市立大学医学部呼吸器外科

背景.切除不能肺癌に対するCTガイド下経皮的肺腫瘍ラジオ波凝固療法(以下,肺RFA)の有効性が多数報告されている.肺RFAの副作用についての詳細な報告は少ない.当論文では,術後3週間に空洞形成と発熱を来した2症例を経験したので報告する.症例.61歳と57歳の男性.外科切除術の適応外と判断された直腸癌肺転移に対する肺RFAの2症例.肺RFA治療時には特に合併症なく,入院経過中にも発熱,血液検査での炎症反応の上昇なく,術後1週間のCTにても重篤な合併症なしと診断され,RFA8日後に退院した.両者とも肺RFA3週間後に高熱と炎症反応の上昇があり,CTで膿瘍形成が疑われ,入院による抗生剤投与にて炎症反応は軽快した.結論.RFA後には空洞形成を起こし得ることがあり,術後数週間後でも感染の合併により高熱を来す可能性を念頭におくべきである.
索引用語:ラジオ波凝固療法, 切除不能肺腫瘍, 空洞形成

受付日:2005年7月28日
受理日:2005年9月26日

肺癌 45 (7):857─861,2005

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