 |
第45巻第7号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (113K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
気管支内転移を来した稀な甲状腺癌の1例
高見 知宏1, 新美 岳1, 小栗 鉄也1, 前田 浩義1, 佐藤 滋樹1, 上田 龍三11名古屋市立大学大学院医学研究科臨床分子内科学
背景．甲状腺癌ではしばしば肺末梢への転移，また気管への直接浸潤が認められるが，気管支内転移を来す例は稀である．症例．症例は65歳男性．5年前に当院で甲状腺癌（乳頭腺癌）と診断され甲状腺の摘出術を施行された．2年前に胸部CTで多発小結節影が出現し甲状腺癌の肺転移として経過観察されていた．2004年に血痰が出現し精査のため当院呼吸器内科を紹介受診した．気管支鏡検査を施行し，左肺（上葉）のB3にポリープ様の病変を認めた．同病変からの生検組織では乳頭腺癌組織を認めた．免疫組織学的検討においてサイログロブリン抗体陽性細胞を認め，甲状腺癌の気管支内転移と診断した．結論．気管支内転移を来した稀な甲状腺癌の興味ある症例を報告した．
索引用語：甲状腺癌, 乳頭腺癌, 気管支内転移
受付日：2005年3月7日
受理日：2005年10月12日
肺癌 45 (7)：863─867，2005
