第46巻第1号目次 | Japanese/English |
Full Text of PDF (578K) Article in Japanese |
─ 総説 ─
肺癌に対する気管・気管支腔内照射
松本 康男1, 横山 晶2, 塚田 裕子2, 斎藤 眞理3新潟県立がんセンター新潟病院 1放射線科, 2内科, 3新潟医療画像診断センター
肺癌に対する気管支腔内照射は扱いやすい高線量率イリジウム線源の照射装置の普及,アプリケータの開発などによって簡便にそしてより安全に施行されるようになってきた.欧米での適応とは異なり,わが国では喀痰細胞診による肺癌検診で発見される肺門部早期肺癌への根治的治療に利用されることが多い.根治照射の場合,晩期有害事象を減らすため過線量領域を可能な限り回避しなくてはならない.肺門部早期癌は外照射の併用,ウイング付アプリケータの利用,気管支径に応じた線量評価点の変更,などの工夫により手術療法に匹敵する治療成績が得られており,また重篤な有害事象もみられていない.本稿にて,文献的考察を加え気管支腔内照射の適応とその位置づけ,我々の行っている手技について解説した.
索引用語:気管支腔内照射, 放射線治療, 肺癌, 肺門部早期癌
肺癌 46 (1):1─6,2006