タイトル
第46巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

非小細胞肺癌の微小リンパ節転移と予後についての検討

川口 晃司1, 谷田部 恭2, 岡阪 敏樹1, 遠藤 秀紀1, 雪上 晴弘1, 森 正一1, 波戸岡 俊三1, 篠田 雅幸1, 光冨 徹哉1
愛知県がんセンター 1胸部外科部, 2遺伝子病理診断部

目的.非小細胞肺癌におけるリンパ節転移巣の大きさや形態と予後との関係について検討した.方法.1996年1月から1998年12月までに一肺葉以上切除と縦隔リンパ節郭清を行った201例のリンパ節標本について,転移巣の最大径と形態を評価した.形態については,sinus permeation(SP)/stromal change(SC)/extracapsular invasion(ECI)の有無について検討した.結果.pN0は145例,pN1は20例,pN2は36例であった.2 mm以下の微小リンパ節転移(micrometastasis;mi)は,pN1で5例とpN2で4例認められ,2 mmを超える転移群(macrometastasis;ma)と生存比較したが,pN1mi vs pN1maではp=0.439,pN2mi vs pN2maではp=0.319と有意差は認めなかった.しかしmi 9例中,SP/SC/ECIを認めなかった4例はすべて4年以上無再発生存した.結論.非小細胞肺癌における微小リンパ節転移や形態を組み込んだ病期分類の細分化を行うことにより,より明瞭な予後の指標を示すことができると考える.
索引用語:非小細胞肺癌, 微小リンパ節転移, 転移リンパ節形態

受付日:2005年6月23日
受理日:2005年12月7日

肺癌 46 (1):23─26,2006

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