第46巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 第31回画像診断セミナー ─
‘淡い’末梢型肺癌―単純X線像とCT診断,病理との対応を含めて―
楠本 昌彦11国立がんセンター中央病院放射線診断部
胸部単純X線による肺癌診断に際して,病変の見落としやすい要因としては,1)病変が既存構造に重なっている,2)無気肺を合併している,3)病変そのものが小さくて淡い,などの理由がある.特にCTですりガラス影を伴う小さい肺癌は,病理学上は肺胞上皮置換部分を有する高分化腺癌で,単純X線では境界不鮮明な淡くて小さい斑状影としてみられる.このような高分化腺癌の高分解能CTの特徴的な所見は,病変辺縁部のすりガラス影,結節内部は充実性で,その充実部にはエアブロンコグラムがみられる.胸部単純X線の読影に際しては,以上の点に留意することが肝要である.
索引用語:肺癌, 高分解能CT, 胸部X線, 誤診
肺癌 46 (1):59─63,2006