タイトル
第46巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

化学放射線療法によるCR後の局所再発に対し外科的治療を行った小細胞肺癌の1例

三好 圭1, 岡田 守人1, 里内 美弥子2, 坪田 紀明1
兵庫県立成人病センター 1呼吸器外科, 2呼吸器科

背景.小細胞肺癌の標準的治療は元来,放射線化学療法で,外科的治療の役割は限定的であるとされてきた.症例.44歳男性.主訴は血痰.右下葉に約4 cmの腫瘤と縦隔リンパ節の腫大を認める限局型小細胞肺癌(cT2N2M0,stage 3A)に対し同時化学放射線療法(cisplatin+etoposide+45 Gy)の後,cisplatin+etoposide+irinotecan療法3コースを行い,CRとなった.20カ月後に局所再発を認めたので,cisplatin+irinotecan療法1コース投与し,再びCRを得,さらに1コースを追加した.本例に対し再発までの期間が比較的長いこと,再発部位が限局していることから,右中下葉切除を実施したところ,切除標本にviable cellを確認した.切除後は再発なく4年間生存中である.結論.本例は小細胞肺癌の再発症例に対するサルベージ手術に意義を認めた症例である.
索引用語:小細胞肺癌, 局所再発, 手術, サルベージ手術

受付日:2005年12月26日
受理日:2006年3月1日

肺癌 46 (2):151─154,2006

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