タイトル
第46巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

気胸で発症し,切除標本内に偶然発見された肺原発絨毛癌の1例

横須賀 哲哉1, 小林 利子1, 中野 絵里子2
1都立広尾病院外科, 2国立がんセンター中央病院

背景.肺原発絨毛癌は極めて稀である.気胸により発見された肺原発絨毛癌を経験したので報告する.症例.42歳,男性.左自然気胸の再発で胸腔鏡下肺部分切除が行われた.切除標本内に腫瘤が認められ,組織学的に絨毛癌と診断された.追加の上大区切除およびリンパ節郭清を行ったが病変は認められず,画像上他臓器には異常なく,肺原発と診断した.予防的補助化学療法(cisplatin,etoposide)2コース行ったが早期に多発肺転移で再発した.TIP療法(paclitaxel,ifosfamide,cisplatin)4コースでCRとなり,以後約12ヶ月経過したが再発を認めていない.結論.本例は極めて早期に発見された肺絨毛癌で,化学療法によって長期生存が得られる可能性がある.
索引用語:肺原発絨毛癌, 気胸, 多発肺転移, 化学療法

受付日:2006年2月9日
受理日:2006年3月31日

肺癌 46 (3):211─214,2006

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