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第46巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第20回日本肺癌学会肺癌ワークショップ <セッションIV> ─

新規抗EGFR抗体医薬Cetuximab(Erbitux®

後藤 新1, 董 瑞平1
1ブリストル・マイヤーズ株式会社研究開発本部

CetuximabはマウスとヒトIgG1のキメラ型モノクローナル抗体であり,ヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的としている.CetuximabはヒトEGFRの細胞外領域に結合し,リガンド結合を競合的に阻害する.多くのEGFR陽性腫瘍における異常増殖の惹起や制御にはEGFRを介したシグナル伝達系が関与している.本剤によりその経路を遮断することで腫瘍増殖を抑制し,アポトーシスを誘導することが可能である.種々のin vitro及びin vivo非臨床試験において,本剤単独あるいは化学療法剤との併用投与でcetuximabの抗腫瘍活性が認められている.これまでに世界中でcetuximabを用いた多くの臨床試験が本剤単独あるいは化学療法や放射線療法との併用で実施されており,結腸直腸癌,頭頸部癌,肺癌,膵臓癌,腎癌患者において抗腫瘍効果と安全性が確認されている.Cetuximab投与に関連して最も高頻度で認められる副作用は座瘡様皮疹である.これは臨床的有効性を示す重要なマーカーと考えられ,生存期間延長との間に相関性がみられる.
索引用語:Cetuximab, Erbitux®, 上皮増殖因子受容体(EGFR), モノクローナル抗体, 癌

肺癌 46 (3):267─275,2006

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