タイトル
第46巻第4号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (454K)
Article in Japanese

─ 原著 ─

ゲフィチニブ(イレッサ®)の非盲検多施設国際共同による長期継続投与試験

中川 和彦1, Malcolm Ranson2, 矢野 聖二3, 田村 友秀4, 坂 英雄5, 今村 文生6, 横山 晶7, 松井 薫8, Haiyi Jiang9, Roy Herbst10
1近畿大学医学部附属病院腫瘍内科, 2Department of Medical Oncology, University of Manchester, Christie Hospital NHS Trust, 3徳島大学医学部附属病院呼吸器・膠原病内科, 4国立がんセンター中央病院内科, 5国立病院機構名古屋医療センター呼吸器科, 6大阪府立成人病センター呼吸器内科, 7新潟県立がんセンター新潟病院内科, 8大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科, 9アストラゼネカ株式会社臨床統括部腫瘍領域医学専門家, 10Department of Thoracic/Head and Neck Medical Oncology, The University of Texas M.D. Anderson Cancer Center

目的.ゲフィチニブの他の臨床試験で治療を受けた後,ゲフィチニブの単独療法を継続することで治療効果が得られると考えられる患者を対象にゲフィチニブの継続投与を行い,長期投与時の安全性を検討し,あわせて生存期間および無増悪生存期間についても評価する.方法.1999年12月~2002年1月の間に,それ以前から参加していた9つの臨床試験から計77例(うち非小細胞肺癌患者61例)を本試験に組み入れ,2002年12月にデータをカットオフした.ゲフィチニブは毎朝1回経口投与した.結果.長期継続投与において新たな安全性に関する問題は確認されず,発現した有害事象は予測可能なものであった.発現頻度の高かった有害事象は下痢および皮膚関連の事象で,ゲフィチニブ長期投与時における安全性は,これまでに報告されている安全性の結果と類似していた.以前の臨床試験のうち,IDEAL1試験とIDEAL2試験から継続された患者集団(計48例)の生存期間中央値(250 mg群:22.2ヵ月,500 mg群:20.8ヵ月)および無増悪生存期間中央値(250 mg群:13.7ヵ月,500 mg群:14.0ヵ月)は,両用量群で同様であった.結論.ゲフィチニブ長期継続投与において予期しない毒性は確認されず,多くの患者で以前の臨床試験で得られた治療効果(Clinical Benefit)が維持された.
索引用語:ゲフィチニブ, イレッサ, 非小細胞肺癌, 長期継続投与

受付日:2005年12月27日
受理日:2006年6月23日

肺癌 46 (4):345─352,2006

ページの先頭へ