タイトル
第46巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

FDG-PETにより早期診断し得た肺小細胞癌胃転移の1例

小林 美奈穂1, 磯部 和順1, 清水 邦彦1, 木村 一博1, 長谷川 千花子2, 本間 栄1
東邦大学医療センター大森病院 1呼吸器内科, 2病理

背景.肺癌の胃転移を生前早期に診断することは稀である.症例.71歳,男性.右肺下葉原発の小細胞癌の病期診断目的でFDG-PETを施行し,原発巣と縦隔リンパ節の集積以外に上腹部正中位に異常集積を認めた.胃内視鏡検査で胃体部に中心陥凹を伴う孤立性の隆起性病変を認め,生検により肺小細胞癌の胃転移と診断した.その他の部位には遠隔転移を認めず,進展型小細胞癌(cT3N2M1)と診断し,CBDCA/CPT-11による化学療法を4コース行いCRを得た.結論.近年普及したFDG-PET検査は従来の病期診断法では診断困難であった消化管転移の発見にも有用であり,正確な病期診断と適切な治療が可能であった.
索引用語:肺癌, 胃転移, PET

受付日:2006年6月19日
受理日:2006年8月24日

肺癌 46 (6):759─764,2006

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