タイトル
第46巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺類上皮血管内皮腫の1例

古川 千幸1,2, 埴淵 昌毅1, 篠原 勉2, 石倉 久嗣1, 木村 秀1
1徳島赤十字病院呼吸器科, 2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部分子制御内科

背景.Pulmonary Epithelioid Hemangioendothelioma(PEH)は本邦での報告症例数が40例程度の稀な腫瘍である.検診にて発見されたPEHの1例を経験したので報告する.症例.19歳,女性.学校検診にて胸部異常影を指摘され当院に紹介された.胸部X線および胸部CTで比較的境界明瞭な小結節影を両肺野にびまん性に認めた.経気管支肺生検では診断に至らず,2005年3月に胸腔鏡下肺生検を施行した.HE染色では中等度の核異型を示す上皮様細胞を認め,免疫組織染色にて第VIII因子関連抗原およびCD34陽性であったため,肺類上皮血管内皮腫と診断した.初診から2年が経過した現在,胸部CTでは若干の陰影の増大傾向を認めるものの,無症状であるため,無治療にて経過観察中である.結論.検診発見されたPEHの1例を報告した.
索引用語:肺類上皮血管内皮腫, 胸腔鏡, 第VIII因子関連抗原, CD34

受付日:2006年3月6日
受理日:2006年9月25日

肺癌 46 (7):811─815,2006

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