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第46巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第21回肺癌集検セミナー ─

禁煙治療による肺癌の一次予防―医療や健診(癌検診を含む)の場での禁煙治療の意義と方法―

中村 正和1
1大阪府立健康科学センター健康生活推進部

禁煙はニコチン依存症という病気のために容易に達成できるものではなく,科学的根拠に基づいた医療技術による介入,すなわち禁煙治療が必要である.禁煙治療の有効性や経済効率性についてはすでに十分な科学的根拠が示されており,その制度化により中長期的には医療費削減効果が期待できる.わが国ではこれまで禁煙治療は患者の自費で行われていたが,2006年4月から禁煙治療に対する保険適用がなされ,禁煙治療の体制が社会として整備されつつある.今後,禁煙治療の実施機関を増やすとともに,指導者教育の体制を整備し,治療の普及度や効果の向上を図ることが必要である.さらに,わが国で広く実施されている一般健診や癌検診の場にニコチン依存症のスクリーニングを導入し,医療機関での禁煙治療と連携した体制を整備することが今後の重要課題である.
索引用語:ニコチン依存症, 禁煙治療, 保険適用, 肺癌, 癌検診

肺癌 46 (7):843─851,2006

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