タイトル
第47巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺・気管支に多発したMALTリンパ腫の1例

中川 誠1, 大崎 敏弘1, 出水 みいる2, 南 貴博2, 末次 彩子2
福岡県済生会福岡総合病院 1呼吸器外科, 2呼吸器内科

背景.中枢気道と肺に多発するMALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は稀である.症例.48歳女性.3ヶ月前より乾性咳嗽が出現,胸部異常陰影を指摘され来院した.胸部CTでは両肺野に大小多数のair bronchogramを伴う不整形結節を認めた.気管支鏡検査で,右中葉支入口部および左舌区支入口部が浮腫状に肥厚し狭窄しているのを認め,同部位の生検にてリンパ組織増殖性疾患が疑われた.確定診断のため胸腔鏡下に右上葉・中葉部分切除を行い,組織学的にMALTリンパ腫と診断された.現在,術後化学療法は行わず外来で経過観察中である.結論.両側の中枢気道と末梢肺に多中心性に発生したMALTリンパ腫の1例を報告した.
索引用語:MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫, 肺, 気管支

受付日:2006年8月11日
受理日:2007年1月15日

肺癌 47 (2):119─123,2007

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