タイトル
第47巻第2号目次 Japanese/English

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─ 第32回画像診断セミナー ─

CT検診での存在診断

大松 広伸1
1国立がんセンター東病院呼吸器科

「東京から肺がんをなくす会」では,1993年に世界で初めて肺癌CT検診を開始して以来,現在も検診を継続している.CT導入前の18年間の発見肺癌症例数は43人(対10万人比163), CT導入後の11年間の発見肺癌症例数は76人(対10万人比436)であった.CT導入後の発見肺癌IA期の割合は74%,平均腫瘍径は17.3 mmであり,CT導入前の42%,30.4 mmと比較し,有意にIA期が多く,原発巣は小型であった.CT導入前に発見された肺癌43例中38例(88%)は,胸部X線にて指摘されているが,CT導入後に発見された肺癌76例中胸部X線で指摘されたのは19例(25%)であり,代わりにCTにて70例(92%)が指摘されている.CT導入後に胸部X線のみにて発見された肺癌症例は,現時点で皆無である.CT導入後複数回受診発見肺野型肺癌症例は52例あり,retrospectiveに過去のCT画像を見直した結果,prospectiveな検診の読影で指摘可能かどうかは別として,過去検診CT画像内に当該病巣を認めるものが41例(79%)あった.この画像診断セミナーでは,CT検診を複数回受診して発見された肺癌症例の過去画像を振り返り,どのような所見があったかを供覧し,より早期に肺癌を発見するための留意点などについて考察したい.
索引用語:CT検診, 過去画像, 肺癌

肺癌 47 (2):149─154,2007

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