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第47巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第32回画像診断セミナー ─

肺癌診療におけるFDG-PETのピットフォール

原 眞咲1, 櫻井 圭太2, 中川 基生2, 小澤 良之2, 芝本 雄太2, 玉木 恒男3, 西尾 正美4
1名古屋市立大学大学院共同研究教育センター中央放射線部, 2名古屋市立大学大学院量子放射線医学分野, 3名古屋共立病院放射線科, 4名古屋放射線診断クリニックPET画像診断センター

PET装置の導入がピークを迎え,2-[fluorine-18]fluoro-2-deoxy-D-glucose(FDG)を用いたpositron emission tomography(PET)に触れる機会が急速に増加している.PETとCTとを融合させたPET/CT装置が最近では主流となっており,読影法もこれまでの核医学的手法から,CTによる地図情報を加味したより正確な評価が可能となっている.一方,読影医には,CT,PET双方の読影能力が要求されることとなり,PET読影医を養成する教育環境を整備することが急務となっている.欧米に比べて,本邦では,放射線科内での核医学部門と画像診断部門の垣根は比較的低いが,それでも専門医レベルでは,両者に通じている画像診断医は少なく,CTからPET,PETからCT各々のアプローチを容易とする教育プロセスを構築する必要がある.CT撮影装置の改良に伴って,現在では16列型まで可能である.近い将来64列型多列CTが搭載され,心電同期,呼吸同期に対応した撮影が可能となり,より精密な形態機能融合情報を得られるようになる.FDG-PETの肺癌に対する診断能力は,導入当初非常に高く評価されていたが,報告が進むにつれて,有用性と問題点が明らかになってきた.本稿では,様々な場面におけるFDG-PETのピットフォールに付き症例を呈示しつつ概説する.
索引用語:PET/CT, FDG-PET, 肺癌, ピットフォール

肺癌 47 (2):169─180,2007

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