タイトル
第47巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

原発不明肺門縦隔リンパ節癌の検討

三好 健太郎1, 奥村 典仁1, 古角 祐司郎1, 松岡 智章1, 亀山 耕太郎1, 中川 達雄1
1倉敷中央病院呼吸器外科

目的.肺門縦隔リンパ節のみに癌を認める症例(原発不明肺門縦隔リンパ節癌)の報告が散見される.転移癌としては良好な予後を示した症例があるが,頻度は稀でありその病態は明らかにされていない.当科で経験した原発不明肺門縦隔リンパ節癌について検討を行った.方法.当科で過去20年間に経験した原発不明肺門縦隔リンパ節癌8例について臨床像を明らかにし,病態,治療法について検討した.結果.単一リンパ節のみに病巣が存在するもの(SS例)が4例,複数のリンパ節に存在するもの(MS例)が3例,単一のリンパ節に病巣が存在し悪性胸水を伴うもの(SS+MPE例)が1例であった.SS例に対しては手術(リンパ節完全切除)のみを,MS例に対しては生検後放射線化学療法を,SS+MPE例ではリンパ節切除後化学療法を行った.SS例では全例21~108か月の非担癌生存を,MS例では全例1年以内の癌死(平均生存期間9.3か月)を,SS+MPE例では化学療法施行後17か月の担癌生存を認めた.結論.肺門部単一病巣,完全切除は予後良好因子である可能性があり,切除可能であれば手術による病巣リンパ節の完全切除を行うべきであると考えられた.
索引用語:原発不明癌, 肺門縦隔リンパ節, 完全切除

受付日:2007年1月10日
受理日:2007年3月13日

肺癌 47 (3):245─250,2007

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