タイトル
第47巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

TS-1が著効して長期生存が得られた再燃原発不明癌の1例

多田 裕司1, 滝口 裕一1, 外山 真一1, 黒須 克志1, 廣島 健三2, 栗山 喬之1
千葉大学大学院医学研究院 1加齢呼吸器病態制御学, 2診断病理学

背景.TS-1は頭頸部癌,乳癌,胃癌,肺非小細胞癌に対し有効とされているが原発不明癌に対する効果は明らかでない.症例.60歳女性.右頸部,左鎖骨上窩,縦隔リンパ節腫脹を認め,鎖骨上窩リンパ節生検で腺癌と診断された.縦隔リンパ節腫脹を認めたものの肺内病変を欠き,種々の検査で原発巣を特定できず,原発不明癌のリンパ節転移と診断した.プラチナベースの複数レジメンによる化学療法を施行し,一時的に奏効したが,耐性化ないしは毒性により治療を中断した.その後再発したが,TS-1が奏効し投与後15か月間にわたり病変のコントロールが得られた.結論.原発不明癌に対するTS-1の有効性が示唆された.
索引用語:腺癌, 原発不明癌, 化学療法, TS-1

受付日:2007年4月5日
受理日:2007年6月28日

肺癌 47 (4):361─365,2007

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