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第47巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 第22回肺癌集検セミナー ─

肺がん検診における全国の精度管理の現状調査

遠藤 千顕1, 近藤 丘1,2
1東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野, 2日本肺癌学会集団検診委員会委員長

目的と方法.肺がん検診の精度管理状況を調査する目的で,全国の生活習慣病検診管理指導協議会肺がん部会にアンケート調査を行った.調査は肺がん検診の実施体制について肺がん部会がどの程度把握しているかを重点として平成18年9月に実施された.結果.平成19年2月までの集計で41都道府県より回答を得た(回答率87%).多くの肺がん部会では,市町村委託の検診機関の実施体制を把握していなかった.これは,平成9年度厚生省成人病検診管理指導協議会のあり方に関する研究班で報告された実態から何も改善されていないものと考えられた.一方,一部の自治体では老人保健事業報告後にも精検結果の追跡調査をしたり,精度管理指標を提示し,その達成率を点数化してホームページ上で公開したり,精度管理指標の数値にもとづいた指導がなされるチェックシートを利用したりと,積極的に取り組み始めていた.結論.肺がん検診の精度管理を行うべき生活習慣病検診管理指導協議会肺がん部会の活動内容は形式的であったが,取り組み始めた自治体も一部に認められた.都道府県レベルで精度管理についてさらに理解を深めるとともに,市町村を積極的に指導していくことが望まれている.
索引用語:精度管理, 肺がん, 検診

肺癌 47 (6):751─755,2007

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