タイトル
第47巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

局所進行非小細胞肺癌に対するパクリタクセル+カルボプラチン併用同時胸部放射線療法の検討

岸 一馬1,2, 岡崎 篤3, 高谷 久史2, 宮本 篤2, 吉村 邦彦2
虎の門病院 1臨床腫瘍科, 2呼吸器センター内科, 3放射線科

目的.局所進行非小細胞肺癌に対するパクリタクセル+カルボプラチン併用同時胸部放射線療法の効果と副作用を検討する.方法.2001年12月~2005年3月までにカルボプラチン+パクリタクセル併用同時胸部放射線療法を施行した切除不能III期非小細胞肺癌患者15例を対象とした.治療は,パクリタクセル40 mg/m2とカルボプラチンAUC 2(カルバートの式より算出)を第1,8,15,22,29,36,43日に投与し,放射線照射を第1日より2.0 Gy/日×5回/週×6.5週(計66 Gy)で施行した.結果.性別は男性12例,女性3例,年齢中央値は67歳であった.放射線療法は,13例に予定線量が照射された.抗癌剤の投与回数は4~7回,中央値6回であった.治療効果は,PR 13例,SD 1例,PD 1例で,奏功率は86.7%であった.副作用は全体に軽度で,grade 3の食道炎は1例のみで,grade 3/4の肺臓炎は認めなかった.生存期間中央値は37.7ヵ月,5年生存率は40.0%であった.結語.局所進行非小細胞肺癌に対してパクリタクセル+カルボプラチン併用同時胸部放射線療法は有効な治療法で安全に実施することができる.
索引用語:パクリタクセル, カルボプラチン, 非小細胞肺癌, 化学放射線療法

受付日:2007年8月9日
受理日:2007年10月1日

肺癌 47 (7):855─859,2007

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