タイトル
第47巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

膿胸を契機に発見された肺原発印環細胞癌の1手術例

鈴木 仁之1, 河村 一郎2, 池ノ内 紀祐2, 原 徹2, 徳井 俊也3
安城更生病院 1胸部外科, 2呼吸器内科, 3山田赤十字病院胸部外科

背景.印環細胞癌は胃にしばしば認められるが,肺原発の印環細胞癌はまれである.症例.74歳,男性.発熱と大量の胸水により,当院に入院となった.胸部CT写真では大量の右胸水の貯留と右上葉に腫瘤影を認めた.膿胸治療後にCTガイド下生検を施行したところ腺癌の診断を得たため,右上葉切除術およびリンパ節郭清を施行した.切除標本の病理組織所見では,約80%が印環細胞癌であった.免疫染色ではthyroid transcription factor-1,surfactant apoprotein A,cytokeratin-7が陽性で,cytokeratin-20が陰性であった.全身検索の結果,他臓器には転移および原発巣は認められず,肺原発の印環細胞癌と診断した.病期はpT1N2M0,Stage IIIAであった.結論.印環細胞癌は一般に消化器系臓器に発生することが多いが,まれに肺原発のものがあることを念頭におく必要がある.
索引用語:印環細胞癌, 原発性肺癌, 膿胸, TTF-1, CK7

受付日:2007年6月20日
受理日:2007年10月9日

肺癌 47 (7):883─886,2007

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