タイトル
第47巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

持続する肺瘻を伴った悪性胸膜中皮腫の1手術例

河野 朋哉1, 寺町 政美2, 森 英恵2, 遠藤 和夫2, 平林 正孝2
1京都大学大学院医学研究科先端領域融合医学研究機構がん分子生物学グループ, 2兵庫県立塚口病院呼吸器科

背景.悪性胸膜中皮腫と気胸の合併は時にみられるが,水気胸を契機に発見された悪性胸膜中皮腫の報告は少ない.今回,検診にて胸水貯留と気胸を指摘され,悪性胸膜中皮腫の診断に至った症例を経験したので報告する.症例.43歳,女性.住民検診で胸水貯留と気胸を指摘され,精査・加療目的で当科へ紹介されてきた.胸腔鏡検査で壁側胸膜に腫瘍を認め,肺の数ヶ所から大量の空気漏出を認めた.腫瘍の生検にて悪性胸膜中皮腫の診断を得たため,右胸膜肺全摘出術を施行した.病理所見で,腫瘍による臓側胸膜の破綻をうかがわせた.術後放射線治療と化学療法を追加したが,25ヶ月後に死亡された.結語.持続する肺瘻を伴った悪性胸膜中皮腫の1例を経験した.40歳以上の気胸では悪性疾患も考慮に入れて精査する必要があると思われた.
索引用語:悪性胸膜中皮腫, 気胸, 手術, 集学的治療

受付日:2007年3月26日
受理日:2007年10月10日

肺癌 47 (7):887─890,2007

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